今夜、キミを独り占め。




「起きたね、かわいい。
冗談なのに」

「光原先輩が言えば本気に聞こえます」
「それはひどいなぁ」


なんて笑いながら話すものだから、全然傷ついているように見えない。

けれど結構傷ついたのか、突然私の体を離してきて。


「えっ…」

思わず悲しい声を漏らしてしまった。


「あ、勘違いしたらダメだよ。
怒ったわけじゃないからね」

「じゃあどうして…」
「お腹空いたなぁって」

「……え」


思いもよらない言葉に、反応が遅れてしまう。


「どうする?
ご飯、一緒に作ろうか」

「あっ、はい…」


当たり前だけれど、生きていればお腹はすくもの。

光原先輩もお腹が空くのだなと思えば、やっぱり同じ人間なのだと実感できた。


どこか私とはかけ離れた存在に思えたため、人間らしさを知れた気分だ。

もちろんこんなこと、本人に直接言えるわけないけれど。