「あっ、笹野さん。
不安なら俺と手、繋ぐ?」

「繋ぎます…!」
「早い、即答だね」


だって怖いのだ。
光原先輩に置いていかれたらもう終わりである。

せめてそばにいたいと思ったため、迷わず彼と手を握る選択をした。



「まあいいか、行こう」

即答した私に突っ込みを入れた光原先輩だったけれど、すぐ私の手を握ってくれて。


恐怖心が薄れた私は、なんとかついていくことができた。


10分ほど歩くと、もうそこは駅前ほど賑わってはおらず。

アパートやマンションなどが目立つようになってきた。