「お姉ちゃん、今から居酒屋どう?」
「こっちもおすすめだよ!」

さらには居酒屋などのお店の人たちが、客を捕まえようと話しかけていた。


隅のほうではいかにも不良という集団が壁にもたれながら座り、大きな声で話している。


「この辺りは夕方から活発になるんだよ」
「そうなんですか?」

「近くにホテルとかクラブとかもあるし、夜のほうが活発だね」


なるほど。
つまりは“夜の街”ということか。


「まあ基本的に興味なさげに歩いていたら声かけられることもないし大丈夫」

ここを通るのに慣れているのだろう、光原先輩は堂々と道を歩いている。


一方私は周りに怯えてしまい、光原先輩のシャツを掴んで歩くので精一杯だった。