「入るけど、もう笑ったらダメだよ」
「頑張ります」
それでも光原先輩は、私の想像をはるかに超えるほどの重い過去を背負っている。
きっと忘れることができない過去。
「じゃあリビングで待っててください。
何か飲みますか?
ジュースもコーヒーもありますよ」
「俺のことはいいから準備してきて…って、すごく嬉しそうだね」
私に何かできることはあるかと考えたけれど、何も思い浮かばない。
むしろ変に刺激しないほうがいいだろう。
さっきの話は聞かなかったことにすればいい。
それにいつもは家に帰るとひとりぼっちで寂しいけれど、今日はひとりじゃない。
光原先輩がいることに、嬉しいと思う自分がいた。
どうやら顔にも出ていたらしい。



