「大丈夫、何もしないよ。それに勘違いしてるみたいだけど、自分から手を出したことは人生で一度もないからね」
人生で一度もって…じゃあ、女の人から誘っているということだろうか。
「……大変ですね」
光原先輩の言葉を想像してみると、思わずそう呟かずにはいられなかった。
「軽蔑しないの?」
「軽蔑、ですか」
「いくら誘われたとはいえ、この歳で色々なことをしてるんだから」
私の背中にまわされた手にもう力は入っておらず、添えられるだけになっていた。
いつでも離れられる状態だったけれど、私はピタッとくっついたままで。



