「なんだ、また甘えてくるかなって期待したのに」
「……起きてたんですか」
「もちろん」
何という人だ。
私を試していただなんて。
寝たふりをしていたらしい彼は、ゆっくりと体を起こした。
「こっちにおいで」
それから私を視界に捉え、目を細めて優しく微笑んできた。
本当に甘い誘い方をする。
こんなの心が揺らぐに決まっている。
「い、きません…」
「まあそうだよね、今の君には迷いがあるから」
私の心を簡単に言い当ててしまう光原先輩は、手を伸ばしたかと思うと。
私の腕を掴み、結構な力で引き寄せられてしまった。



