いくらクラスに馴染んできたとはいえ、まだ完全に心を許していない真由。
特に男子に対しては警戒心が高く、自分から話しかけることはまずない。
男子から真由に話しかけたとしても決して笑った顔は見せないため、私や女子に見せる笑顔は男子を悶えさせていた。
一応私たちのクラスの男子は良い人ばかりな気がするけれど。
真由にとったら、まだまだ苦手らしい。
「真由も最初に比べてクラスのみんなと話せるようになってきたからね」
「うん…！みんないい人たちばかりだから」
「男子はまだ苦手？」
「あんまり良い思い出はない、から…」
少し暗くなる真由を見て、なんとなくわかった。
入学して早々に男子に絡まれてしまった真由のことだ、ああいうことは初めてではないだろう。
