「なら良かった…先輩にひどい扱いされてなくて」

「まあ私もイマイチ光原先輩のことはわかってないけどね」


さっきだって、放課後に保健室こいだなんて。
それも私が来ると確信したような言い方。

けれど私の弱さを知っている唯一の相手であるのも確かで。


いくらバレてしまった形とはいえ、誰かひとりでもそういう相手がいるのは心強い。

ただどうしてその相手が光原先輩なのだ。
それはあまり嬉しくない。


「……はぁ」


保健室に行くべきか行かないべきか。

その答えは出ないまま、気づけば文化祭は終わっていた。