今夜、キミを独り占め。




透先輩の言葉もあってか、気まずくなる教室内。

特に真由は光原先輩をも怖がっており、ぎゅっと口を固く閉じて俯いている。


一体どうすればいいのだろう。

さすがの私でも、先ほどの笑顔は怖かったけれど───


「笹野さん」
「は、はい…!」

突然名前を呼ばれたものだから、思わずビクッと肩が跳ねる。


「大丈夫だった?」


けれど目の前の彼はもういつも通りで。

作り物のような笑顔はやっぱり“怖い”よりも“綺麗”だった。