今夜、キミを独り占め。




男子ふたりは少し文句を言いつつも、私たちから離れてくれたのだ。

安心した私は思わずホッと息をついたけれど。


「……透」
「どうした?」

光原先輩がいつもよりトーンを落とした声で透先輩の名前を呼んだ。


そして───

「そこのふたり、ちゃんと躾けといてね」


終始笑顔だったけれど、怒っているようにも見えるその笑みに思わずゾクッとした私。

それも私だけではないようで、男子ふたりも真由だって怯えていた。


何というか、言葉にできない圧を感じたのだ。


「だってよお前ら、躾の時間だ」
「え、俺らどうして怒られ…」

「郁を怒らせたからだろ。
あいつ、怒らせたら怖いんだからな」


透先輩は少し面倒くさそうな顔をしつつも、男子ふたりを連れて教室を後にした。