「不安なんてたくさんあるよ。遠距離だって、本当はいやだよ。でも、私は遊馬くんしかいないから。遊馬くんだけいてくれたらいいから。、、もっと、わたしも頑張って遊馬くんの隣を歩けるように頑張るから」

遊馬くんの隣を歩く時、恥ずかしくないように。
あとをついて行くのではなく、、隣をあるけるように。

「距離をおこうなんて言ってごめんね。遊馬くんが、私に相談してくれなかったから、寂しかったのと嫌で拗ねちゃったの。」

「、、、、、」


「遊馬くんはもしかしたら陸上で推薦があるんじゃないかって、どこかで思っていたから聞くのが怖かった」

「うん」

「離れたらこのままどうなるのかなって。だから聞けなかった。」

「うん」


「私も同じなの。遊馬くんに好きでいてもらえる自信なんてない。こんな普通で、弱虫で何の取り柄もなくて。」

遊馬くんと、こうして恋人関係でいられるだけでも、奇跡なのに。

「遊馬くんみたいに何でもできるひとのそばに私なんかがいてもいいのかなって。」

「ゆららがいいんだよ。」

「遊馬くん」

「僕にとってゆららが一番なんだよ。」

遊馬くんの顔がぼやけて、自分が泣いていることに気がついた。

こんなにも、たった一言で
気持ちが落ち着く。


「ありがとう。」

何か変わりたいって。私も自信つけたくて決めたコンテストだけど、
今回入賞して前に進めたような気がする

私の頭を優しくなでながら遊馬くんは私に話かけた。

「、、ゆらら。僕は推薦受けます。」

「うん」

「僕は、ゆららのために高く飛ぶよ」

「うん」


「四年くらい、会いたい時、寂しい時、僕はゆららのそばにすぐ駆けつけることはできない。」

「うん」
遊馬くんが私の頬に伝う涙を指で触る。


「寂しい想いを、悲しい想いをさせちゃうかもしれない。」
「うん」

でもね、と遊馬くんは優しい口調で続ける。

「僕はゆららにずっと一緒にいてほしい。僕のそばにいてほしい。」

「うん」


「そして、四年後・・・」

「・・・・・」

「僕たちが大学を卒業したら」



「、、、、、」




「結婚してください」



「はい」







久しぶりのキスは
涙の味がした。