「佐倉先輩、森本先輩が絵画のコンクール参加されたって聞きました。」
「うん、そうみたいだね。」

「今日、授与式だって知ってました?」
「えっ?」
「森本先輩の絵、入賞したみたいですよ。同じ美術部の友達が言っていました。」
「そっか。」

美術室の灯りが毎日のように部活終わって帰るとき、見えていた。

「先輩に一つ仲直りのきっかけをあげます。お詫びにはならないかもしれないけれど。」
「??」
「校内の掲示板に森本先輩の入賞した絵が掲載されていたんです。、、、絶対見てください。」
「・・・」
「‥これを見たら森本先輩が佐倉先輩のこと、どれだけ好きなのか、わかると思いますよ?」


そう言って田中さんはスマホの画面を僕に向けた。

「・・・っ!」


「授賞式、今日の18時からですよー!場所は国立美術館ですよ!」
田中さんの声を背中に、僕は走り出した。