あなたの手の温もり

すると晴人は手袋をしている私の手を握ってきた。
目を見開いた。彼は私に触れないから。触れないはずだったから。
私はその手を離そうとしたかったけど出来なかった。
私も彼に触れたかったから。1度も触れたことがなかった彼の手に。
初めて触れた彼の手は暖かくて、優しくて、でも強くて……
意識が途切れていく。
私はしっかり手を握りながら、彼の笑顔を見ながら、とびっきり優しく、暖かく微笑んだ。
「大好きだよ…晴人」
呟くように言う。
彼は、微笑みながら
「俺の方が大好きだよ…美雪…」

私は微笑みながら静かにゆっくりと目を閉じた。
途切れる寸前晴人が泣いているような気がした。