私が9歳になると潤兄は大学進学の年だったため、東京の大学に進学した潤兄は年に4回しか会えなくなったが、遥兄と2人で1ヶ月に1回は会っていたが、それも遥兄が大学に進学するまでだった。

遥兄が大学進学したとき私は中学2年生だったが、一人で東京に行き観光も兼ねて潤兄と遥兄に会いに行った。

地元の名古屋から新幹線に乗り、東京駅に着いたのは朝の10時だった。

潤兄と遥兄は私が東京駅で迷うことを想定して迎えに来てくれた。

「杏樹、まさか一人で来るとは思わなかったよ」と社会人2年目になり落ち着いたオーラを放っている潤兄。

「叔父さんとおじいちゃんがよく一人で来ることを許したよな」と大学生になり少し大人の雰囲気を出す遥兄。

「定期テスト学年で5位以内に入ったら一人で東京に行かせてってお願いしたの」と私は笑顔で言った。

「でも杏樹の成績っていつも5位以内に入るよね」と疑問そうに言う潤兄

「うん、お父さんとの約束で定期試験5位以内に入ったら1個だけ我侭間を言えるの」

「で、今回の我侭が東京に一人で行くってことか」と納得したように言う遥兄。

「そう!でも観光もするけど大学のオープンキャンパスも東京に来た1つの目的だけどね」と私は2人の顔を見て笑顔で言った。

「とりあえず車で来たから駐車場に向かおう。」と言うと潤兄は私の荷物を全部持ってくれた。