もう一度、優しいキスを。








あつい。あつい。あつい。
溶けそうに、あつい。





「……まだかなあ、」




みるみると過ぎていく時間。
チクタク、チクタクと時計の秒針が進む音が、妙に大きく聞こえる。




「っと、お待たせ!待った?」





走ったのかはっ、はっ、と息が荒い。




「大遅刻だよ、大遅刻。」





「ごめんごめん、部活の後輩らと話してたらこんな時間だったんだよ」




「そんなの知らない、……はやく行こう、茜。」




かれこれ25分程、校門前で待っていた私を誰か褒めてほしい。まあ、幼馴染の 藤瀬 茜 の遅刻は慣れてしまってるんだけど。




「ね、怒った?ごめん、千花。」




「怒ってないよ。そのかわり、今度チーズケーキおごってね」





悪戯っぽい笑みを浮かべれば、一歩、また一歩、歩き出した。