毎日毎朝、同じ時間を共有していくんだ。

これから死ぬまで、、、

いつかは、こいつで良かったと思える日が来るやもしれない。

そう思えるように、最大限の努力もしよう。

なんとなく、言い聞かせるようになっていた。


そう、、、

楓が再び俺の前に姿を現すまでは。




結婚式まで一週間と差し迫った晩のこと。

やり残した仕事があるわけでもないが、まっすぐに早い時間帯に帰ることが既に億劫だった。

この日も、社長室で適当に時間を潰していた。


今になってどうしてか。

答えは簡単だ。

お互いにすれ違う方向に突っ走っただけ。

巻き戻せるなら、真っ先にしたかった。


けど、、、


「楓、サヨナラだ」


それしか言えない。


一度動き出した列車は、易々と急ブレーキをかけれない。

この手に抱き止めることは、不可能だ。