真実から目を背け、確かめることすらしなかった罰が当たった。

勝手な思い込みのまま、一方的に切り離して望んでもいない結婚を選んだ。

これで全てが丸く収まるなら、容易いこと。

そんな浅はかな選択しか出来なかった己を、いつかは恨む日が来るだろう。


「蒼士、招待状の返事、全部来たの?」

「あぁ。今、確認する」


俺はもうすぐ、この女、宮 華乃子を妻にする。

幼なじみでライバル社の令嬢だ。

結婚する気などさらさらなかった。

今どき政略結婚なんか、好き好んでするやつなどいない。

俺を除いては、、、。

そして、式まで一ヶ月を切った頃、同棲を持ち掛けられて今に至る。


俺らしくもない。

相手のやりたい放題だ。