冷静さを取り戻した頃には、時計が深夜に差し掛かろうとしていた。

寺川さんには迷惑ばかりかけてるかも。

こんな醜態さらしたり、慰めてもらったり、、、


「ありがとうございます。本当にいつもすみません。」

「いいえ。では、送ります。落ち着いたようなので、、、」

「なにからなにまで、お礼のしようがないです」

「見返りのためにしてるわけではないですから、お気になさらず。」

「寺川さんて、神様みたい。」

「ははは。佐野さんは面白いことを言いますね」

「だって、いい人すぎます。」

「そう思ってもらえて光栄です」

「安心します。寺川さんと話してるだけで、心が温かい。」

「困ったときは、ご遠慮せずおっしゃって下さいね。力になりますよ」

「はい。ありがとうございます」


寺川さんのおかげで、取り乱すことも、深酒して記憶を飛ばすこともしなくて済んだ。

感謝しかない。