右手を強く引っ張られて中に入ると、周りを確認した社長はドアに鍵をかけた。

「お前、どうやってここにきた」

「、、、て、寺川さんに、、お願いして、、」

「泣くのやめろ。なんなんだよ。連絡もなしに来たと思えば、急に泣き出すし。」

「しゃ、社長が、元気そうで、、つい、、、」

「そうか。で、何の用?」


冷たく重い、拒否という名の鉄の壁をドンと置かれた。

これ以上、踏み込んで来るなと言われてる気がして、どうしたらいいのか躊躇ってしまう。

意気揚々と告白する腹づもりだったはずなのに。

喉が握り潰されたみたいに、何も出てこない。


「、、、用がないなら帰ってくれ。お前と見つめ合うほど暇じゃないんでな。」


その通りだ。

社長にとって私は、秘書でもなければ社員の一人でもない。

まるっきりの無関係。

なにか、、、なにか言わなきゃ、、