私は、社長からの内線で呼び出された。

いつもは寺川さんを通してなのに、直接は初めてで、しかも契約を反故されてからまともに会話すらしてない。


「失礼します。社長、どうされましたか?」

「あぁ。これを郵送してくれ。」

「かしこまりました。」


社長の視線はパソコンの独壇場だ。

指さしでその郵送物を知らせる。


「、、、え?これ、って、、、」

「招待状だ。腹づもりも出来たからな。そろそろ身を固める。間違いなく出してくれよ、秘書さん。」

「はい、、、」



それは紛れもなく結婚式の招待状。

山のような数で、大きな段ボールから溢れ返ってる。


震える手にグッと力を込めて、段ボールを抱えた。

笑顔、、、笑顔。

私は、ただの秘書。

それ以下でもそれ以上でもない。

分かってる。

そんなのとっくに、分かりきってる。