顔を合わせづらくて、予定もないのに早朝に出かけた。

行く宛もないし、こんな早くに開いてる店なんて限られてる。


休日に一人って、、、

現実はなんて残酷なのかしら。


仕方ない。

コーヒーでも飲んで時間を潰そう。

そう思ってなんてことなしに入った店で、偶然会ったのは社長の次に会いたくない人。




「あれ?佐野さん。昨日はどうも。まさかこんなとこでお会い出来るとは、、、」


鬱陶しくなるほどの作り笑顔で声をかけてきた。


「小森さん、おはようございます。では、失礼します。」


「まあ、そんな露骨に避けないでくださいよ。」

「いえ、そういうわけでは、、、」

「一緒にどうです?」


嫌です。なんて、本音は冗談でも言えるはずもなく、愛想笑いを浮かべて承諾した。