全身の力をだらんと緩めていた私は、当然抱きしめ返すはずもなく、、、

甘受したのをいいことに、次の一手を打ちにきた。

「本当、無事で良かった、、、」

「さっき笑ってたくせに。」

「安心したからだろ。俺のせいでごめんな」

「悪いと思ってるなら、元の生活に戻してください」

「俺から離れたいのか?」

「、、、だからどうしておかしな言い方をするんですか。私と社長はなんの関わりもないでしょう?」

「契約を忘れたのか?」

「それは仕事ですから。」

「まあ、、、そうだよな。仕事だな、、、」

「はい。ですから職務は全うします。」




52階についても私は降りずにいると、閉まる直前に腕を引かれた。

「わっ、ちょっと、何するんですか!」

「今夜は俺の部屋に来いと言ったはずだ」

「どうしてですか?」

「寝具もなんもない部屋で寝るつもりか?」