中に入らずに、その場にしゃがんだままになってると、ガラガラと大きな音をたてて戸が開いた。

「なにしてんの、お前」

その声にハッとして顔をあげる

「、、、しゃ、ちょー、、、」

「は?なんだよ?とりあえず入れ」

腕を持ち上げられて立ちあがり、キョロキョロと辺りを見回した。

いない、、、よね?

見て、ないよね?

「顔色悪いよ、ほら水飲んで」

半ば抱き抱えられるようにして、店に入った私を心配そうにみんなが見てる。

おやじさんが出してくれた水を一気に飲み干した。

「で、どうした?」

「、、、わかんない、、あの人、しゃ、社長に、、、近付くな、、、って。、、私、なにも、知らない、、、してないのに。」

「顔、見たのか?」

無言で首を横に振った。

「男か?女か?」

「男、、、でした。」

「他に何か言われたか?」

「痛い目、みたくはないだろう、、、って。」