いつもの赤提灯


大好きなビールとつまみ



それから、、、



「で、いつになったらここをくれるんだ?」


トントンと私の薬指をつついて、わざと拗ねて見せる。



変わらない


私の愛しい人。



「社長、またその話ですか?」


「この俺を一年も待たせて何を言ってる」



「待って欲しいなんて言ってませんけど?」


「言うようになったなー、楓」


「当然です」


ガラガラと引き戸の開く音がして、またも似つかわしくない一人の紳士


「やっぱりここでしたか、社長」

「寺川、お前付け回すのやめろよな」


社長とこうして仕事帰りに赤提灯に来ては、寺川さんが追いかけてくる。


もう見慣れたやり取り。


なぜ付いてくるのかと言うと、、、



「楓さんのそこは私も予約してますから、抜けがけは駄目です」


こうして社長をからかうためらしい。