ふたりきりの空間は本当に久しぶり。


こんなふうに、また向き合って顔を見る日が来るなんて、、、



「ずっと、有耶無耶なまま何も出来なくてごめん。」


浅めに腰かけて、膝に肘を乗せて項垂れる姿に、子供のような切なさが滲む。



「もう、いいんです。有耶無耶なものは忘れてしまってください。」


「それは、どういう意味だ?」


物悲しそうな目に、私はどう映っているんだろう。


呼び出されるまでの数週間。


私は自分の中でひとつの答えを出していた。



「社長はなにをお考えですか?」



まっすぐに射るような目。

あぁ、懐かしい。



「俺はもう一度0からやり直したい。嘘偽り、一切なく、ただ楓が欲しい一人の男として、お前のそばにいたい。許される、、、なら、だけど、、」



ストレートな告白に嘘はないと思った。