だから尚更、離れなくてはと思った。

中途半端な関係はよくない。


寺川さんとの曖昧な関係を早々に断ちきらなければ、ズルズルとどこまでも堕ちていきそうだから。


見積書をバッグにしまいながら、あれこれと思考を巡らせていた。



「あ、そうだ。折り入って楓さんにお願いがあります。」


「、、、?なんでしょう?」


「来春から新しい仕事してみませんか?」

「ら、来春ですか?」

「えぇ。今すぐにと言いたいところですが、小森さんに頼んで仕事を再開したばかりですし。」

「でも、、、また転職するのは憚られるというか、、小森さんに合わせる顔がなくなります。」



うーん、、、と声に出しながら悩むふり?をする寺川さん。