見積書を抱きしめる手に力がこもる。

「一緒に住むうちに隔たりもなくなって、解け合えるかと思っていましたが、、、」


「あの、ごめんなさい。いつまでも甘えたままでは申し訳なくて」

「それは私が望んでしたことなので、遠慮はしないようにと伝えましたよね?」

「はい。だからです。寺川さんの優しさに甘えたままでいたら、自分がダメになりそうで、、、」



「あなたって人は、、、。引っ越しはお手伝いさせてくださいね?」


ふわりと優しい微笑みを見せる。

数えきれないほど助けてもらった。


この人の大きすぎる温かさに、心底救われたのは言うまでもない。