どうしてだろう

この人はここまで尽くしてくれるんだろう。

自分が如何に無力で惰弱なのかを痛感する。


「佐野さん、もっと頼ってください。何でも力になりますから。」

ほら、こうしてまた、、、


だから、やっぱり私は私の決めた道を進むしかない。

「ありがとうございます。でも、、、大丈夫です。キャンセル待ちして、予定通りたちますので。」

物憂げな顔をした、寺川さんの返事を待たずに歩き出した。

どうせ引き留められたって、もう働く場所すらない。

ここにいても、何も変わらない。


「行かないで!あなたのそばにいたい。私は、佐野さんに必要とされたいんです。」


「、、、寺川さん?」


「私を、佐野さん、あなたのものにしてください。」



なんてぶっ飛んだセリフ。

逆バージョンの告白とか初めてだし、しかも、全部が真っ直ぐすぎて直視出来ない。