あぁ、、、社長のことを忘れるために、日本を発つはずだったのに。

よもや、その秘書である寺川さんの手中に収まるとは、、、



それにしても、、、泊まるところ探すって、部屋見つかるまでホテル住まいするほどお金ないのに。


マン喫?

いやいや、不摂生すぎる。


「佐野さん、やっぱり私のところに来ませんか?」


「え?」

「強引にキャンセルしたお詫びです。部屋も余ってますし、好きに使っていただいて構いません。あ、嫌ならきっちりわけますので、部屋にも鍵を付けて、食事も別々で、ルームシェアだと思ってもらえればいいので。」


あー、失笑噴飯だわ。


「!?、、、佐野さん?」

「いえ、寺川さんて優しいのかめちゃくちゃなのか、よくわからない人ですね」

「そう、ですか?そんなこと初めて言われました。」

「あ、ごめんなさい。めちゃくちゃとか失礼ですよね。」