亨や後藤君の恋なら………見えることもあるだろう。

アドバイスだって、出来るかもしれない。

けど………

自分のことになると、サッパリだ。

夏苗ちゃんの気持ちどころか………自分のことすら分からなくなる。

いい歳をして………情けない。

後少しで、空に一番近い位置に到達するなぁ~と

現実逃避しかけた俺に

「でもね。
二人に言われてみて………気づいたんだけど。
時々、目が合った時にドキッとしたり
今みたいに、二人でいる時にドキドキしたり
他の生徒と仲良く話してたら、胸がギュッとして痛かったり………
おかしいなぁって思うことが………時々あるの。
これって……………恋かな?
もしかして………誠ちゃんを卒業出来た?って………
自分のことなのに、分からなくって。
本当は、真剣に考えたら答えが出るかもしれないんだけど……。
今はまだ、出したくないんだよね。
………………………………ずるいかなぁ?
だからね。
もう少し、お兄ちゃんでいて欲しいの。」