それだけに…………

さっきの誘いは、びっくりだった。

放心状態の桜ちゃんの手を引き

さっさと連れ出す亨に倣い。

「だったら玲奈ちゃんは、僕とね。
昨日、ボーイフレンドとしてなら、オッケーしてくれたでしょ?」と。

これまた手を引いて、歩き始める。




気づくと…………

残されたのは、俺と夏苗ちゃんの二人のみ。

「では………夏苗ちゃんは、俺とだね。」

そう言うと、ピキッと音がしそうな程………顔が固まった。

可愛い。

意識しまくりの夏苗ちゃん。

「妹としてが良い?
それとも……………」と含みを持たせて話しかけると

「妹で!!」と即答で、返ってきた。

ホントに可愛い。

「だったら妹で」と言って

手を引かず、一人で前を歩くと……………。

何やら考え事をしながら、着いてきた。

始めのうちは、俺を意識して固い表情を見せていたが………。

そこは、女子高生。

乗り物に乗る頃には、スッカリいつもの元気が戻っていた。