ショックを受けた夏苗ちゃんは………

フラフラと大通りの方へ向かったらしいが。

雨が降りだしたから

傘を取りに行って、両親に璃子を頼んでいたら

見失ったと言っていた。

直ぐに俺に連絡して、一緒に探してもらおうと思ったが………

連絡がつかず、未だに見つかっていない。

俺は………

自分と誠次のバカさに…………

イライラがおさまらない。


「それで?
今は何処を探してるんだ?」

「…………………叔母さんに友達のところに連絡してもらって。
今は、そっちを探してる。」

「だったら、俺も探している事をご両親に伝えて
自宅で待機してもらえ。
俺は、このまま大通りを車で流す。
見つかったら直ぐに電話しろ!」

言いたいことだけ言って

一方的に電話を切った。

……………………なにが自殺だ。

勝手なことを言うな!!

俺が必ず見つける……………。

雨足の激しくなる通り。

一人でも多くの人間の目が欲しい俺は

夏苗ちゃんを知っている亨に連絡を入れて

学校近くを探してもらうことにした。

ただし、学校には報告しないで欲しいと伝えて…………。

勉強をあれほど頑張っていた夏苗ちゃんを思うと

こんな事で、傷をつけたくないからな。