「どうした?」

「……………………あのね。
もう、はぁちゃんの隣には……いれないんだと思ってた。
だから今…………とっても嬉しいの。
無理矢理自分に納得させて、諦めてたから。
はぁちゃんは、違う人と結婚して………パパになるんだって思ってたもん。
………………今日ね。
ホントは、格好いいマスターが見たくて行った訳じゃないんだぁ。
もちろん、カッコイイのは間違いないんだけど………。
お店に行ったのは…………
あの日、偵察に行った…………嫌な記憶を
塗り替えたかったの。
カッコイイ兄弟がお見合い相手だって言ったら
見に来てくれるかな?って思って。
だってはぁちゃん、心配性だもん!
ねぇ~」

「うるさい。」と言って、キスで口を塞いでやる。

ホンの数ヶ月前まで高校生だったのに。

いつの間にかアルコールを口にして酔っぱらい………

彼氏を騙して迎えに来させて、見合い相手と会わせるとは。

生意気になったもんだ。

だんだん深くなるキスにも………

慌てず対応出来るようになってきた。

……………………生意気。

クスリと笑って、尚一層ふかめると

さすがにやり過ぎたのか、腰が抜けた。

「ごめん。」

カクンと膝から折れたかなを支え

抱き上げて車に向かった。

…………………やっと隣に帰ってきた。