2014年1月5日、近くの予備校で田中と鈴木は模擬テストを受けた。模擬テスト終了後、講師が採点していた。この時、オレはせいぜい250点越えれば上出来だと思っていた、採点が終わりオレは驚いていた。鈴木が312点、田中が320点だった、オレは慌てて2人を呼びに行った、瀧「いいから早く来て」と思わず興奮気味に命令口調になっていた。オレのいつもとは違う態度に2人が驚いている中、瀧「このテスト、点数見て」と興奮気味に解答用紙を見せた。鈴木が呆れたように、鈴木「なに興奮してんだよ、森崎らしいな」田中「お前が教えたんだからそんぐらい想定内だろ!当たり前じゃん!なに謙遜してんだよらしくないな」翌日、東京家裁は2人の第1回審判の期日を23日に指定した。8日夜、オレは2人と会って、家裁からの呼び出し状を見て初めて知った。オレは2人に、瀧「もうバックレるなよ!」と一言、鈴木「当たり前やん、鑑別所ゴメンだし」田中「マジ!引き上げとか勘弁」オレは杉山弁護士にテストの結果を証拠提出するように頼んだ、瀧「審判、頼みます!このままでは良くて保護観察は避けられない!オレ保護観察中だから分かるけど、かなり大変だから!」杉山「やるわ!不処分獲得目指す!任せてまぁ!あの2人はしっかりしていて保護観察の必要ないのは明白だからね!」瀧「遠回しにいじられた」瀧「オレ、保護観察まだ1年以上残ってるし!はぁ」23日金曜日、審判当日、午前と午後に分かれて2人の審判は行われた。2人は窃盗、恐喝の非行事実を認めた。オレはこの日、2人のコトが心配になっていた、元々2人は中学時代に万引き事件を起こし審判不開始の決定を受けた前歴があったからだ、そこから日が浅い中で起こした窃盗及び恐喝事件、被害額も多額ときている、2人は逮捕すらされずに在宅事件であったが審判を無断欠席し鑑別所に収容された経緯や事件の悪質性などから保護観察どころか少年院送致の可能性が高い事案だがいきなり在宅の審判で少年院に行くことはない、行く場合は必ず第1回目の審判で身柄拘束され鑑別所に収容され心身鑑別を受ける流れをたどることになっている、その為今日の審判で身柄の拘束があるかオレは気にしていた、万が一に鑑別所への収容という事態に陥れば一気に少年院送致の可能性が高くなることを意味していた。できればオレも審判廷の外でも待機したかったが保護観察中の身ではそれすら許されなかった、しかし両親からの連絡で身柄の拘束は無かった、瀧「良かった、保護観察か不処分かのどちらかだな」決定言い渡しは後日期日が指定されることになった。夜、オレの自宅で2人の両親交えての食事で、鈴木母「この子、審判中に森崎くんの処分軽くしてって発言しちゃって、裁判官に注意されたんだから」瀧「ありがた迷惑だって!自分の審判なんだから俺のことは気にするな」鈴木「ごめん森崎、余計なこと言って」瀧「貴文くんのそういうとこオレ、嫌いじゃないけど」田中「オレも言いそうになったけど!」瀧「史浩くんもかい?」オレは苦笑いしながら言った。瀧「高校受験は3月14日にあるから、まぁ!高校入った以上卒業しないと意味ないからね」2月に入った。7日、東京は大寒波に見舞われとにかく寒い、都心で想定外の大雪に鉄道は運休し大混乱していた、夕方、鈴木母からの急な呼び出しで母と一緒に田中の自宅へ、既に鈴木も来ていた。2人は家裁からの呼び出し状を見せ、鈴木「決定言い渡しの期日、来月の21日だって」田中「オレも同じ日だし」瀧「合格発表と同じ日か?!間に合わないか?合否が間違いなく処分に影響するから!」