少しして柚葉も驚いた顔をしながら家の階段を降りてくる。
「最後くらい、一緒に行こう」
永遠の言葉に柚葉は一瞬黙ってから静かに頷いた。

玄関まで柚葉が来ると柚葉の母が柚葉を抱きしめた。
そして柚葉の左耳の近くで「行ってらっしゃい」という。

永遠はそんな二人の姿に違和感を感じていた。
柚葉の母は涙目だ。

永遠は柚葉が大学に合格して寮で暮らすようになるのが寂しいからかと思っていた。

柚葉は母に「行ってきます」と告げて永遠と歩き出した。