「大丈夫」
そんな永遠の手を振り払い柚葉は夏子に手を伸ばす。
永遠と柚葉のことを見ていた夏子はとっさに柚葉の手を握った。
「教室行こう」
柚葉の言葉に夏子はぎこちなく返事をした。

永遠はなぜ柚葉が泣いているかわからないまま夏子に
「肋骨骨折してるから背骨が曲がったり両手を広げるような体制とか、動きが痛むんだ。気をつけてやって。」
と伝えた。
「うん」
夏子は永遠と初めて言葉を交わしたと思いながらも慎重に柚葉のことを支えて教室へ向かった。