少しして病室の扉がノックされた。
自分の母親かと思っていた柚葉は扉の方すら見ずにベッドに横になり目を閉じていた。
すると耳元で物音がした。目を開けてもきっと母親にまた叱られると思った柚葉が寝たふりをして目を閉じたままでいると唇に何かが触れた。

っ!?

足音が病室から出て行ってから目を開ける。
なに!?誰!?なにっ!?

動揺しているとベッドのサイドボードに柚葉の好きな雑誌が置かれていた。
「柚葉~お母さんそろそろ帰るけど」
話しながら病室に柚葉の母が入ってくる。
「お母さんさっき来た?」
「なに寝ぼけてんのよ。あら?雑誌、永遠君の差し入れ?」
と柚葉の手にしていた雑誌を母が指さす。