君の隣でみる夢

「樹・・・。」
妻の痛みを感じながら湊は妻を抱きしめ続けた。



陸・・・。

樹はその名前を忘れたことはない。
陸を忘れたことなんてなかった。

悲しみを思い出して心が裂けそうに痛むこともあった。

そんな時は湊の手を握りながら空を見て想いを馳せていた。


樹はその名前を心で呼び続ける。


陸。助けて。・・・・と。