君の隣でみる夢

永遠の母、樹は廊下へ出て待っていた永遠の父、湊に抱き着いた。
妻の痛みを察した湊が樹の背中をさする。
「名前・・・」
「ん?」
樹が話始める。
「名前?」
湊が聞き返す。
「陸だって・・」
その名前に湊は樹を抱きしめる手に力を込めた。

樹が過去に愛した人の名前だった。
愛して愛して、永遠を誓う直前に失った命。
樹は今の柚葉を見ていると陸を思い出さずにはいられなかった。
今の永遠を見ていると陸の目覚めを待ち続けていた自分を思い出して心が痛んだ。

そんな妻の想いをわかっている湊は妻をありったけの力で抱きしめた。

「どうしてこんなことに・・・。」
樹はもしかしたら自分の運命のせいかもしれないと自分を責めた。