柚葉はあまりの痛みに横になっていられず部屋をうろうろと歩き回っていた。
陣痛が来るたびに立ち止まると永遠がすかさず支えて腰をさすってくれた。
時間をはかりながら入院の準備をして、柚葉の陣痛に寄り添う永遠。
あまりの手際の良さに柚葉は陣痛の波がさってから永遠に聞いた。
「なんで手馴れてるの?」
「何回もなん百回も頭で練習してた」
永遠の言葉に柚葉は微笑んだ。
心強い。
「ありがと」
柚葉が微笑むと永遠は頷いた。

あたりが明るくなるころやっと柚葉の陣痛が規則的に10分間隔になり二人は病院へ向かった。
「痛い・・・痛い・・・」
助手席で陣痛に苦しむ柚葉に永遠は手を握る。
陣痛が来ると痛みに目を閉じてしまう柚葉に目を閉じないことを永遠は言い続ける。
目を閉じてしまうと柚葉とコンタクトが取れない。
それでは出産のときに柚葉がパニックになると対処できなくなってしまう。