確かに永遠は昔からこのチョコが苦手だった。
もとから甘いものが得意ではない永遠は甘すぎると柚葉にチョコをもらうたびに言っていた。

永遠は少し考えてから
「甘すぎる」と言ってみた。

すると柚葉が「前にも・・・こんな話したっけ?」と永遠から視線を外した。

永遠は柚葉の肩を抱きしめる。

「話した。同じ話をしたことがあるよ」
永遠の言葉に柚葉は微笑んだ。
「うれしい。私、なにか思い出した気がしたの」
「すごい!すごいじゃん!」
永遠も喜ぶ。

二人はこんな奇跡が重なって、柚葉の記憶が戻るかもしれないという希望を捨ててはいなかった。

現実になるかもしれないと喜び合う。