その手には柚葉が包丁を握ってしまった時の傷跡がくっきりと残っていた。
「この傷のこと、覚えてる?」
永遠がその傷に触れると柚葉は首を横に振った。
「そっか。気を付けような」
柚葉は永遠と再会してからの記憶は残っているものが多いが記憶が混乱していた時間の記憶はほとんどない。
病院で訓練も受けて、日常生活に支障がない程度に生活スキルは向上してもまだコミュニケーションには不安定さと課題が残っていた。
「永遠君、ご飯にしましょう」
「はい」
柚葉の傷を見終えると永遠はダイニングテーブルに座った。

柚葉の両親と柚葉と永遠で食事をとり終えると柚葉と永遠は自分たちの家に帰宅した。