次の日永遠は朝早くに柚葉の寝顔を見てからリビングへ降りた。
そこには柚葉の両親も眠れずにいた。

「話があります」
と永遠は柚葉の両親に話しかけた。
柚葉の両親は永遠の覚悟を感じて静かにソファに腰かけた。

「昨日、悔しかったんです。俺。」
普段言葉数の多くはない永遠が一生懸命に言葉にして両親へ伝えようとしている気持ちが両親に伝わる。
「俺はどんなことがあっても柚葉を守りたいと思っていました。中学生の時、柚葉が俺を守って耳が聞こえなくなったときから。」
永遠の心に中学時代の事故の記憶がよみがえる。
「悔しかった。俺が柚葉を守りたかったのに、守れなかった。だから、同じ高校に通っていつもそばで、柚葉の隣で守りたいと思っていました。」
柚葉の両親も永遠の話を聞きながら過去の記憶がよみがえった。