君の隣でみる夢

体育館で柚葉が永遠の名前を呼び微笑んだ日から一か月が過ぎようとしていた。

柚葉はまだ完全に記憶を取り戻したわけではない。

調子の悪い日は言葉は一切出ず、表情もなくなる。
調子のいい日は永遠の名前を呼び、微笑む。

その差がとても大きい日が続いた。

柚葉は両親のことも認識できる日とそうでない日があり、二人のことを呼ぶことはなかった。柚葉が口にする名前は永遠だけだ。

朝、目覚めるとその日の柚葉の状態が分かる。
永遠は毎朝緊張しながら柚葉の寝室に向かっていた。