柚葉に気が付くと急いで永遠は階段を駆け上がってくる。2段も3段も飛ばして駆け上がる永遠の方が柚葉ははらはらした。
「危ないよ」
「それは俺のセリフだろ」
「まだ降りてないから大丈夫だって」
「ひとりで階段降りるなって言ったよな?」
「はい」
「なんかあったらどうすんだ」
永遠の勢いに柚葉の中でもどかしくて溢れそうだった考えがとうとうあふれ出した。
「関係ないでしょ永遠には。」
柚葉のいつもとは違った口調に永遠が黙る。
「私のこと、放っておいてくれてもいいじゃん。いつまでも責任感じて私のお世話なんてしなくていいんだから。もうやめてよ!」
とうとう言ってしまったという自己嫌悪と永遠の悲しそうな目に柚葉はいたたまれなくなり階段を駆け上り屋上へ向かった。