「ごめんね。大変な時に・・・知らなかった。」
夏子が顔をゆがめて涙すると柚葉はすっと永遠の前に立った。そして夏子の頬を伝う涙を自分の手で拭う。
そしてその手を自分の口元に運んだ。

永遠にはすぐにその行動の意味が分かる。自分とおにぎりを食べているときの行動だ。
この行動の意味が永遠にはわからなかった。自分の動きを真似しているだけかもしれないと思っていた。でも違うと確信した。
柚葉は自分の意志で相手に何かをしてあげたくてしているんだ。
柚葉の優しさだ。

そう知った永遠も心にグッとくるものがあった。

「?」
夏子にはその意味が分からない。しばらくして永遠が説明すると再び夏子は涙した。