「柚葉?」
柚葉の母はしばらくリビングの扉を見つめていた柚葉の瞳から涙があふれていることに気が付いた。
「寂しいの?」
表情はなくても次々に涙を流す娘に柚葉の両親は顔を見合わせて微笑みあった。

手術後娘の感情を初めて感じられたように思えた。

「そう、悲しいの。」
柚葉の母は娘を抱きしめた。