「ないと思う。でも、俺、柚葉のそばにいたいんだ。俺にはまだ力がない。でも柚葉の隣にいれば一人では出せない力も出せると思うんだ。彼女を守るためならなんだってする。そのくらい、柚葉は俺にとって大切な存在なんだ。」
柚葉の母が立ち上がり永遠に近づいた。

「・・・?」
永遠が母を見ていると母は永遠の体を抱きしめた。
「永遠もいつの間にかこんなに大きくなったのね。」
永遠の母の目から涙が流れた。
「母さんにもね大切な人がたくさんいるの。父さんも、永遠も里華も大切。母さんの両親も、父さんの両親も、ほかにも大切な人がたくさんいる。」
永遠は母に抱きしめられながら懐かしいぬくもりを感じていた。
「もう亡くなってしまった大切な人もいる。その人を忘れることはないし、その人が亡くなる前に母さんいっぱい後悔した。話したかったこと、実現したかったこと、いっぱいあったから。」
母は言葉に詰まりながら話をする。