君の隣でみる夢

「最後は個室で検査用の服に着替えていただいて、その後CTやMRI検査、レントゲン検査等を行います。」
看護師の説明を受けて柚葉のことを柚葉の母が個室へ連れて行った。さすがに着替えまでは手が出せない。
永遠は個室の外の廊下で柚葉の父と並んでベンチに座り待っていた。
「検査はいつも麻酔で眠らせてもらわないとできないんだ。」
「この検査は立ち会うのに限界があるので今回も眠ってから行うんですよね。」
「あぁ。」
「・・・」
気まずさに二人とも黙る。
その沈黙を破ったのは柚葉の父だった。
「娘が眠っている姿を見ると、息をしているか不安になるんだよ。」
「・・・」
「まだ15歳の娘が事故で片耳が聞こえなくなって、毎日のように傷だらけの膝だった。はじめのうちは転んでばかりだったからな。」
永遠は申し訳なさを感じて頭を下げる。