「今日は病院に行こう。」
永遠はいつものように玄関で待っていた柚葉にそう伝える。
柚葉はいつも言われるデートとはちがう永遠の表現に一瞬手を出さなかった。
「大丈夫。一緒に行こう。」
そう言って永遠が手を差し出し微笑むとこわごわと柚葉は永遠に手を差し出した。
柚葉の両親は母から聞いていたとはいえ娘の始めて見る反応に驚きを隠せなかった。

「その後何か言葉は？」
永遠の言葉に両親は首を横に振った。
永遠に『おはよ』といったきり、言葉は発していない。

「そうですか。行きますか。」
と空気を換えようと永遠は柚葉の手を引いて歩き出した。